企業自らが製品の欠陥を申し出、回収や無料修理することがリコールですが、現在社会ではリコール自体が「悪い」ことと受け止められる傾向にあります。、

さて、これまで3件の事例をみてきました。2つのケースでは企業は大きな損失を被っています。そこに共通するのは、いわずもがなですが「リコール隠し」です。
冒頭に述べたように、リコールとは「よくある」ことなのです。しかし、どうにも「リコール」という言葉にはマイナスイメージがつきまといます。「隠した」企業にも、イメージダウンと巨額の費用といったことへの恐怖があったことは想像に難くありません。
ひとつには、マスコミの報道が、いささか過剰で、企業を「悪」と決めつけるところに原因があるようにも思います。また自動車業界には、リコールに準じる対策として「改善対策」と「サービスキャンペーン」があり、過去のリコール隠しでは、その温床になった感があります。クレーム情報を企業だけが独占的にもっているという構造的な問題も指摘されています。
しかし、現代は、企業の社会に対する反倫理的行動に非常に厳しく、発覚した場合に生じる不利益は途轍もないものになるのも、また事実です。
結局、筆者はこう思います。企業も、ユーザーも、製品に対して責任感を持ち、ユーザーは顧客登録をして、不具合があればすぐにディーラーを通して告知する。「リコール」などないにこしたことはないし、当事者になったら面倒ではあるけれど、逆に考えれば「リコール」はメーカーとユーザーの接点であり、よりよい製品が世に送り出されるために両者がともに負担するコストである、という認識が大切なのではないでしょうか。