三菱自動車工業の場合

三菱自動車工業に関して言えば、車の欠陥に気づきながらもそれを公表せず、リコールを行わなかった点が一番の問題となり、最終的には社会的にも信用を失うことにつながりました。

欠陥車両としての認識の甘さ

三菱自動車工業の場合

さて、次にトヨタと同じ自動車メーカー、三菱自動車の事例です。2002年1月10日に、重機を運ぶ大型トレーラーから走行中にタイヤがはずれて転がり、歩いていた主婦にぶつかり死亡、一緒に歩いていた長男と次男も軽いけがをするという、痛ましい事故がおこりました。

原因は、トレーラーのタイヤハブの破損です。三菱自動車製の大型車のハブ破損事故は1992年以降に計57件発生し、うち51件で車輪が脱落しています。三菱自動車は当初、一貫してユーザー側の整備不良としてきましたが、結局2004年3月、製造者責任を認めて国土交通省にリコールを届け出ました(届け出たのは後身の「三菱ふそうトラック・バス」)。加えて、関係者7名が道路運送車両法違反などで逮捕され、法人としての三菱自動車も刑事告発される、異例の展開をみせました。

ここで問題になったのは、やはり前述のパロマ社と同様で、三菱自動車はユーザーからのクレームや事故の発生により、欠陥があるのを知りながら「リコール」の手続きをしなかった、いわゆる「リコール隠し」でした。

事故がおきてしまったのは、確かに残念なことですが、では三菱自動車がすべて悪いのか、10年間で57件という数字が果たして異常に多いものなのか、門外漢である我々には容易に推測できませんし、前述の事故の公判などで、ユーザー側の過失も指摘されたようです。結局、三菱自動車は2898億円の損失を出し、経営再建には長い年月がかかりました。

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